海龍の

映画 『Men of Honor ザ・ダイバー』

徹底分解

 

本物のカール、実際の写真集 

 

 

本物のカールは1948年に17歳で海軍に入隊し、1979年に 最先任上級兵曹長として退役しています。 黒人として初めて海軍の潜水学校に入学・卒業し、黒人として初の海軍潜水士の最高峰 Master Diver となったこともさることながら、義足で完全な現役任務に就いた初の Navy Diver でもあります。 (彼の略歴に関しては こちらを参照ください。)

ものすごいガッツのがんばりの人で、かなり真面目な方だったようです。

 

1948年入隊当時 1953年潜水学校入学時 拡大

 

実際のカールは 潜水学校入学前に Shallow Water Diver というものになっていたようですが、これがどのようなものかよく判りません。 本当に水泳が得意だったようです。

 

1966年1月17日、米空軍の4発の水素爆弾を搭載したB52戦略爆撃機が空中給油に失敗してスペインの地中海側海岸に墜落するという大事故が発生しました。詳細は英文ですがこちらからどうそ)

3発は海岸で発見されたものの、残りの1発は水中に落下し、米軍総出で2ヶ月半の捜索の後、3月17日に発見され、潜水艦救助艦 USS Petrel (ASR-14)により 水面まで浮上させ、サルベージ船.USS Hoist (ARS-40) により回収されました。 この回収作業中に カールは片足を失うという惨事に巻き込まれたのでした。

 

 

入院先で Navy & Marine Corps Medal を受賞するカール

リハビリでランニングにはげむカール。

左のフォームなど義足着用者とは思えません。

 

実際の現役復帰テストはさすがに映画のようなデモはなかったようですが、ランニング・テストや重りをつけてのラダー昇降、重量挙げなどがあったようです。 ちなみに映画でカールを演じる キューバ・グッディングJr が言っていたのですが、最初は義足の演技で多少とも足が悪い風にしないといけないと思ったらしいですが、実際のカールを見ていると全く普通と変わらないのでびっくりしたのことです.。

 

 

最近、南アに両足義足のオスカー・ピストリウスという陸上競技の選手がいてかなりの記録をマークしています。 この選手の一般競技会への出場が 、国際陸上競技連盟から装着している義足が人工的な力を生むとして認められなかったことがあります。極端な話、サイボーグは駄目ということでしょうけど・・・) 

それだけ最近の義足が進歩しているということでしょうが、カールは今から40年以上も前の時代にこれだけのことをやったのですから やはり 『すごい!』 の一言に尽きます。

現在の義足の進歩状態に関してはピストリウス選手の着用しているアイスランドの義肢メーカー・オズールのWeb Site を参照ください。 各種パラリンピックで活躍している選手の画像がたくさんあります。 時代はここまできているのかと認識を新たにします。

 

ダイバー姿のカール。 時期不明ですが、顔の感じから一番左は 事故前後の頃。

一番右は Master Diver になってからの写真と思われます。

 

Master Chief 時代のカール

映画宣伝時のカール

映画インタビュー時のカール

 

2006年7月25日にポーツマウスの海軍病院で75歳で亡くなられ、同月29日の葬儀が行われました。

 

海軍潜水士のなかには 本人の生前の希望で潜水器具一式を装備したうえで 水葬にする人もいたようですが、カールの場合は退役してそれなりの期間が経っているので通常に埋葬されたようです。

 

Pioneering Master Diver Carl Brashear Laid to Rest

Washington Post Article

Carl Brashear, Man of Grace

 

☆  目 次   ☆

 

 

 はじめに・・・一言

 

 映像で確認する階級等の推移 カール編

 映像で確認する階級等の推移 サンデー編

 

 前半の見せ場 − 潜水学校

 映画最大の見せ場 − 現役復帰審議会

 

 Navy & Marine Corps Medal

 ヘルメット式潜水器材

 映画中の Navy Diver 写真集

 

 チーフ・サンデー 特集

 その他の脇役達の検証

 

 本物の カール 及び実際の写真集

 撮影現場 スナップ

 

 

 

 

 

 

  【 参 考 】

 

 米海軍 下士官・水兵の階級章

 Mr. Carl Brashear の実際の略歴

 

 

  【 外部 参考リンク 】

 

 ザ・ダイバー 映画公式サイト

 The Carl Brashear Foundation

 Diving Heritage -"Hall of fame" Carl Maxie Brashear

 Men of Honor - Wiki (英語)

 もぐりのドクターの潜水医学入門 独り言 − ザ・ダイバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

07/25/2008

 

 

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