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海龍の 映画 『Men of Honor ザ・ダイバー』 徹底分解
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ヘルメット式潜水器材 |
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潜水の手段としては 素潜りを別とすれば次の3つに大別できます。
① ヘルメット式潜水 (水面よりホースを使いヘルメット内に連続して送気する方式) ② スキューバー潜水 (潜水者が携行するタンクの空気を呼吸する方法) ③ フーカー式潜水 (水面よりホースを使い、レギュレーターに送気する方式)
日本でも潜水士と言った場合の従来の主流は ヘルメット式潜水だったのですが、米海軍においては Navy Diver とは ヘルメット式潜水 をするもののことを指すようで、昔 かつやくしたフロッグ・マンとか 現在のSEAL のように スキューバー器材を使う物とは一線をきしているようです。
長い間、米海軍で使用されてきた潜水ヘルメットが Mark V と呼ばれるもので、現在 レプリカや ヘルメットを装飾用にアレンジしたものなどの大半がこの Mark V をモデルとしてるので 一般の人に一番目につきやすいタイブだと思います。 当然 映画の中でもでてくるのはこのタイプのものです。
これに対してより深い海底での作業を行う為に開発されたのが 先のMark Vを改造した Mark V mod 4 と呼ばれる 酸素・ヘリウム混合気体を利用するタイプです。
下の写真を見れば一目瞭然のとおり後部に高価なヘリウム混合ガスを循環させるための奇妙奇天烈な形の装置が装着されています。
これが映画の中で カールが現役復帰の条件として デモする際に使用されたものです。 当然 タダでさえ重い MarkV に余計な装備がつくので目茶目茶重くなります。
US Navy Diver は (少なくても映画の中ではそう言っているんですが・・・どうも 海軍のマニュアルに目をとおしていると本当にそういう規則があったようです) こうした装備を装着して アシストなしで立ち上がり、12歩あるけなければならないのだそうです。 通常の Mark V装備一式で 約 60kg、 ヘリウム用だと 約 90kg程度はあります。 陸軍の兵士のフル装備の重さが 約 40kgと言いますから どれくらい重いかは想像できると思います。
実は ヘルメット式潜水器具には 大きく米国式と英国式(日本では英国式に準拠)があり、その大きな違いはウエイトの装着位置にあります。 潜水服の巨大な浮力を相殺する為に 片足5kg程度ある潜水靴とウエイトを装着するのですが、米国式ではウエイトはスポーツ・ダイバーと同様に腰にベルトとして装着します。 英国式では肩から胸元に吊るすように装着します。
肩から吊るす英国式だとダイバーは潜水服・潜水靴だけを装着して船側から水中に入り、水面でヘルメットとウエイトを装着することが可能ですが、米国式だたこれは不可能になります。 このあたりから 『全装備で12歩 歩ける事』なる規則ができたようです。 ですから 映画の中でハンク大佐は 勝手に無茶苦茶なことを要求しているわけではないのですね。
ちなみに現在では新素材を使用したもっとコンパクトで軽いものが使用されていますが、複数のメーカーで現在でもオーダーベースで伝統的なヘルメットも製作しています。 右下の写真のものは 表面を錫プレート加工したとても美しいものに仕上がっていますが、お値段は 6000米ドル以上するようです。 |
☆ 目 次 ☆
【 参 考 】
【 外部 参考リンク 】
• The Carl Brashear Foundation • Diving Heritage -"Hall of fame" Carl Maxie Brashear • もぐりのドクターの潜水医学入門 独り言 − ザ・ダイバー
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07/25/2008 |
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