海龍の

映画 『Men of Honor ザ・ダイバー』

徹底分解

海龍の 映画 『Men of Honor』 徹底分解 

はじめに・・・一言

 

 

Men of Honor (邦題: ザ・ダイバー) は2000年に公開されたハリウッド映画で海龍の最も好きな映画のひとつであります。  既に何回みたことか判りませんが、10回以上になることは間違いありません。 ここまで見ちゃうと 細かなところまで気が廻ってきます。 と言うことで、例によってオタク的細部まで 普通の映画鑑賞人はやらないような分野を徹底的に分解してみようというのが このシリーズの趣旨であります。

更に この邦題の『ザ・ダイバー』というタイトルの付け方がなんとも海龍は気に入らないのです。 これでは単なる潜水士のお話になってしまいます。 Honor と言う言葉が重要なキーワードなんですけど、現在の日本人にとって Honor と言う言葉の持つ感覚と一般的な米国人が持つそれとはかなり開きがあるようなのでしかたがないかもしれません。 この映画が一般公開になる前の話ですが、日本側スタッフが邦題をどうするかで散々議論をしたそうで、旨い日本語フレーズがどうしてもでてこず、いっそこのまま 『メン オブ オーナー』 とそのままで行こうとう趨勢になっていたそうです。 ただ直前にそうしたある意味では安直なネーミングをした直後であったので、それではあまりにも スタッフ(邦題を考える班)の存在意義を疑われると若干消極的になっていた際に、誰かが投げやり的に主人公が潜水士なんだから「ザ・ダイバー」でどうだ・・・ぁ ?みたいな発言があり、そこに落ち着いたのだそうです。

Man of ・・・ ではなくて Men of ・・・ と複数形になっているところもミソなのに。 リチャード・ギア主演 『愛と青春の旅だち』(原題:An Officer and a Gentleman) も同様な感が否めません。 米軍が背景の映画っていうのは 一般の日本人にとっては どうしても根本のところで少しずれてしまうのかもしれません。 トム・クルーズ主演の 「ア・フュー・グッドメン (1992)」も 結局はタイトル日本語化出来なかった例です。 Men of Honor もそうしておいて欲しかった・・・

 

 とは言っても 映画を見ていない人や 内容を忘れてしまった人の為の復習をかねて 以下に一般的な映画概要を記載しておきましょう。

 

<キャスト&スタッフ>

ビリー・サンデー :ロバート・デ・ニーロ
カール・ブラシア :キューバ・グッディングJr.
グウェン・サンデー:シャーリズ・セロン
 

監督: ジョージ・ティルマンJr.

脚本: スコット・マーシャル・スミス
製作総指揮: ビル・コスビー
音楽:     マーク・アイシャム
 

<ストーリー>
 
海軍のエリート、マスターダイバーのビリー・サンデーは、ダイバー養成所で"神と呼ばれる男だった。ある日白人ばかりの養成所に、サンデーに憧れてダイバーを目指すカール・ブラシアという黒人兵士がやってきた。その日から鬼教官サンデーは彼に対し差別といえるほど厳しい訓練を開始。それに耐え抜いたカールは、ついに海軍史上初の黒人ダイバーとなった。だがそんな彼に言い渡された任務は、海に墜落した戦闘機から核弾頭を回収するという、最も危険なものだった!

「Amazon.co.jp」 より
 アフリカ系アメリカ人で初めて「マスター・ダイバー」の称号を与えられた米国海軍の海難救助潜水士カール・ブラジア(キューバ・グッディング・Jr.)の半生をつづったヒューマン・ドラマ。
 差別のはびこる海軍ダイバー訓練所で、彼は鬼教官サンデー(ロバート・デ・ニーロ)の苛酷な仕打ちに耐えながら、不屈の精神で精進を続けていき、いつしか一流ダイバーとして称賛されるように。しかし、ある事故がもとで彼は大怪我を負ってしまう…。
 差別される側とする側がいつしか友情のきずなで結ばれていく姿が感動的にとらえられている。また、両者をつなぐ要素が「父親の愛」であるところが、本作の特徴ともいえるだろう。憎まれ役転じて男の心意気を示すデ・ニーロの名演は、いつもながらのすばらしさである。

「DVD NAVIGATOR」データベースより
 キューバ・グッディングJr主演の感動作。人種差別が厳しかった50~60年代に、マスターダイバーの称号を勝ち取った黒人青年の半生を描く。 

「Oricon」データベースより
 あらゆる障害や妨害を血の滲むような努力で乗り越え、アフリカ系アメリカ人として初めて栄誉ある「マスター・ダイバー」となった青年“カール・ブラシア”の姿を描いた、実話をもとに贈る傑作ネイビー・アクション。

 

 この映画は上記でもお分かりのとおり、実際に米海軍に1948年から1979年まで在し、2006年に75歳にて亡くなった Carl M.Brashear というアフリカ系アメリカ人(早い話が所謂 黒人)で初めて 海軍の Deep Sea Diver となり、事故で片足をなくしながらも Master Diver と呼ばれる海軍潜水士の最高峰まで上り詰めた下士官の Based on True Story であります。

 

 実は黒人で始めての海軍ダイバーというと実は嘘になります。 第2次世界大戦中に2名の黒人潜水士がいたそうです。 但し、次の点でカール・ブラシアは「初」のタイトル保持者なのであります。

  • 黒人兵士として初めて海軍の潜水学校 Naval Diving & Salvage Training Center) に入学を許可された。

  • 義足でフル・デューティの潜水士勤務につく資格を得た初めての潜水士

  • 海軍潜水士としての最高位 Master Diver になった初めての黒人潜水士

 映画としては 潜水学校を卒業して晴れて 潜水士となるまでの前半と 事故にあって片足を失いながらも懸命の努力を重ね フル・デューティの現役に復帰するまでの後半にわかれています。
 

 このシリーズでは 映画と実際の違いや 映画がどこまで事実をもとにしているか、なぜ 原題は Men of Honor なのか? などを中心に細かくみていくことにしょうましょう。

 

 

☆  目 次   ☆

 

 

? はじめに・・・一言

 

? 映像で確認する階級等の推移 カール編

? 映像で確認する階級等の推移 サンデー編

 

? 前半の見せ場 − 潜水学校

? 映画最大の見せ場 − 現役復帰審議会

 

? Navy & Marine Corps Medal

? ヘルメット式潜水器材

? 映画中の Navy Diver 写真集

 

? チーフ・サンデー 特集

? その他の脇役達の検証

 

? 本物の カール 及び実際の写真集

? 撮影現場 スナップ

 

 

 

 

 

 

  【 参 考 】

 

? 米海軍 下士官・水兵の階級章

? Mr. Carl Brashear の実際の略歴

 

 

 【 外部 参考リンク 】

 

? ザ・ダイバー 映画公式サイト

? The Carl Brashear Foundation

? Diving Heritage -"Hall of fame" Carl Maxie Brashear

? Men of Honor - Wiki (英語)

? もぐりのドクターの潜水医学入門 独り言 − ザ・ダイバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

07/25/2008

 

 

Copyright (C) 1999-2008 studio SeaDragon. All rights reserved.

inserted by FC2 system